きっかり2年

2024年4月16日。あみんと最後に会ってからちょうど2年になる。あれは土曜日の夜で、バイト終わりのあみんを迎えに彼の家の前まで行くと、今はもうないいなげやの前あたりをたばこを吸いながら歩いてくる彼の姿が今でも鮮明に思い出される。それは普通ならなんともない光景のはずだが、あれが最後だと分かると何度も頭の中で彼のその日の言動を思い出して、消えない記憶として定着してしまった。今日は墓参りにでも行こうかな。命日は19日だけれど、おれにとっての最後は16日。この3日の間に誰かと会って何かをしていたんだろうか。翌日の日曜日はまた桜新町のフレンチレストランでバイトだと言っていた。いつかそこに行って、バイトをしていた彼の話を聞いてみたいと思う自分がいる。

昨日は3時半くらいに家を出て、街の仕立て屋に先週買ったかっこいいパンツの裾直しを頼みに行った。そこは気づかずに通り過ぎてしまいそうな佇まいの小さなな仕立て屋で、おばあちゃんが一人本を読んでいた。早くて来週の火曜と言われて他をあたろうかとも思ったが、そんな急ぐもんでもないかと思い、さらにそのおばあちゃんに好感を持てたのもあり、よろしくお願いしますと預けてきた。そのまま自転車で吉祥寺まで行って自転車を駐輪場にとめ、セブンでアイスコーヒーを買って井の頭公園を散策した。今まで行ったことのなかった奥までいき、いいベンチを見つけて一服した。そこで読書をしたり道ゆく人をみたりして小一時間過ごし、また歩き出した。マニョーロに電話した。彼は今インターン的な仕事と大学で忙しいみたいだが、来年大学を出たらすぐに働かずにヨーロッパを電車かなんかで旅したいと言っていた。まるでおれみたいだなと思ったが特に何も言わなかった。ここにもまだ何も決めていないが人生を謳歌しようとしている男がいる。その男は海の向こうにいる中で唯一の親友でもある。類は友をよぶは国境も超えてしまうのだなと思った。

夜は直美が買ってきた惣菜のチャーシューをメインに簡単なサラダを作って夕飯にした。そして武のアキレスと亀を見た。この映画もなかなかシュールで、今まで見た武映画よりはのめり込まなかったが、悪くなかった。

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