エックスでのWWOOFを終え、トゥールーズに到着したのは2022年8月22日。学校が始まるまで一週間ほどあったと思うが、それまでに何をやったという記憶は特にない。街をぶらつくだけで楽しかった。
入寮の手続きは多少手間取ったが、気合いで乗り切った。非常に狭いが、トイレとシャワー付きなのはありがたい。筑波大の友達の寮はトイレシャワーもなかったから。月245ユーロで、のちに申請するCAFという大学生ならほとんど誰もが受けられる住宅補助のおかげで自己負担分は月160ユーロだった。ベットシーツや布団はないので、近くのGiFiというインテリアショップ的なところにクッションと一緒に買いに行った。そこで調理器具一式とドライヤーとハンガーも揃えた。なぜか掃除機だけケチって買わなかったのだが、絶対に買った方が後々良かった。
初めての自炊をしに共同キッチンにいったのだが、IHコンロも電子レンジも全く使い方がわからず、色々押してみるがうまくいかない。ヤキモキしているところにフランス人の女の子二人がやってきて、挨拶する。その子たちが使い方を教えてくれた。こっちにきて初めての大学の友達である。その子たちとは、一回一緒に遊んだきりで挨拶する仲にしかならなかったけれど。
新学期初日の夜、留学生向けの交流イベントが大学の前のバーで開かれた。みんなと自己紹介をしあうあれである。そんな中、一人の男が声をかけてきた。眼鏡をかけたオタクっぽいスペイン人で、日本のアニメとかが好きらしい。最初はよくいるアニメオタクくらいに思っていたこの男が、のちに唯一無二の親友になるマニュエル君だった。彼はおれのことが気に入った様子で、その後はずっと二人で一緒に新しい友達を探しにバーの中を周回した。そんな中に一際目立つ美人が座っていた。ラテン系の顔立ちをしたスペイン人の女の子。名前はマルタ。マドリードからきたそう。妖艶という言葉はこの子のためにあるんだと思った。
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