フランスに行っていたのが2022年の8月から2023年の6月。この日記は写真を見返しながら記憶を辿って書いているから、自分では事実しか書いていないつもりでも、多少の脚色があるのかもしれない。それが記憶の本質でもある。
今日は2024年3月15日。朝8時半に起き、光を浴びに軽く外を散歩した。思えば、クッキーがいた時は毎朝毎晩散歩していたのだから、散歩させているようで実はおれも散歩させられていたのかもしれない。
先週10日間に渡って敢行した北海道旅。今日はその1日目に出会った札幌で珈琲屋兼ゲストハウスを営むかわいやすべえ氏の話をしたい。彼の作る美味しいカフェラテを飲みながら、私の今後の旅程の話から逸れて、彼のこれまでの人生の話を聞くことができた。ここで詳細に話すのはつまらないから、知りたい人は実際に会いに行ってほしい。飾らない人で、話しやすい。
「見つける必要ってあるんすかね〜」「まあ、今はやりたいことや好きなことが明確に分からないと生きづらい世の中になっちゃってるとは思いますけど。」
大学四年生を控えた私は就活をしておらず、しかし他に何か自分でやっているわけでもない。そんなよくいる若者の不安を吐露した時に、やすべえさんが言ったことである。彼は逆に、好きなことは仕事にしないと決めて生きてきたらしい。彼には世界一周という子供の頃からの夢があり、それを叶えるためのお金稼ぎの手段だから、仕事はなんでも良かったと言っていた。色んな仕事を経てここでゲストハウスを経営するに至るまで、全く一直線ではなかった。その時どきのできることやこれ良いじゃんと思ったことに直感的に飛びついて、気付いたらこうなっていたという。だから、これまでの仕事も今の仕事もやりたかったからやったという感じじゃないらしい。
私は、彼の生き方から何かヒントを得た気がする。やりたいことが決まっている必要もない、好きなことを見つけてそれを仕事に結びつける必要もない。ただ、その時どきの自分の心の声に従うことは必要である。これは面白そうだな、やってみよう。スタートはそんな気軽な感じでいい。自分の心が面白そうだと思ってワクワクしているもの、それが自分に合っているかどうかはやった後に考えること。そう思うと、何もやりたいことが定まっていないというのは、何にでもいつでも飛び付けるという強みなのかもしれない。
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